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世界に類を見ない良書を多くの人に届けたい!
- 釣り関連の雑誌・書籍を出版する(株)つり人社が企画する、クラウドファンディング・プロジェクトです。日本を代表する水生昆虫カメラマンであり、カゲロウ、トビケラ、カワゲラなどの水生昆虫の研究家として、30年以上にわたり活動してきた刈田敏三さんの集大成といえる『水生昆虫ガイドブック』(現在、Apple Booksによる電子書籍のみ)を、誰にも読みやすく、なおかつ丈夫で美しい「100年印刷」によって、永久保存版の紙版書籍として上梓したいというプロジェクトになります。
水生昆虫は食物連鎖の底辺にいて、自然環境の変化にとても敏感です。川の水質などを判断するための環境指標生物としても注目されており、このまま環境破壊が進むと、いなくなる種が出てくることも心配されています。水生昆虫を調べると、その川の健康度が見えてきます。持続可能な開発を推進していくためにも、水生昆虫がもっと注目されることが期待されます。
しかし、その存在は一部の研究者のほか、日頃から川に親しんでいる釣り人以外にはほとんど知られていません。自身が熱心なフライフィッシャー(西洋毛バリ釣りの愛好家)でもある刈田さんは、自力で電子版を作成しましたが、複雑で不思議な生態を有する水生昆虫の世界観は、紙のほうがはるかに伝えやすいのです。 -
- ナミヒラタカゲロウの亜成虫(ダン)と、その亜成虫がドリフターチェックで採取された時の状態の写真。こうした「生きた情報」が随所にちりばめられている
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- 今回、クラウドファンディングという形でプロジェクトの実現を目指すのは、「紙・印刷コストが大幅に上昇している」「開きが良く、耐熱性・耐久性が高いPUR製本でさらに単価が上がる」「水生昆虫図鑑というマニアックな本を、大量に印刷することを前提に流通させるのが困難」といった事情があります。同時に、社会的にも意義のある本を支援者からの応援をいただきながら世に送り出すことで、時代に合った出版物をより柔軟に制作できる可能性も感じています。なにとぞご支援をよろしくお願いいたします。
- ▼プロジェクトの詳細は動画でも紹介中! お申し込み方法等もこちらで紹介しています(10:00ごろ~)
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プロジェクトの実現には、最低960人のご支援が必要。 著者ならではの独自の観察の集大成で、水生昆虫のリアルな生態がわかる
- 本プロジェクトは、著作1部の価格を5,000円(税、送料込み)として皆様から資金を事前につのり、必要金額に達した時点ではじめて制作が開始される、というものです。製作費の総額は500万円になり、最低でも960人のご支援が必要になります。
そのため、今回のプロジェクトが成功しない限り制作されない特別な書籍です。なお、この本はこのページのプロジェクト限定アイテムとなっています。
このプロジェクトにご参加いただいても最終的に目標金額を達成することができなければ、本が作られることはなく、金額を請求されることもありません。
刈田さんの水生昆虫観察の特徴は、まず川魚(上流域に生息するヤマメ、アマゴ、イワナ、中下流域に生息するウグイ、オイカワなど)がいるフィールドに足を向ける点にあります。そして、周辺に生息し、川魚のエサとなっている水生昆虫(カゲロウ、トビケラ、カワゲラなど)を知るために、陸上にいるものは虫取り網で捕獲、また、水中にいるものは石などから直接捕獲するほかに、川の中に目の細かい網を設置し、実際に流下してきたものを一定時間ごとに採取して記録するというユニークな方法を取っている点にあります。特に最後の流下物の確認は〝ドリフターチェック〟と呼び、実際に川で魚がエサとして食べている水生昆虫のようすを把握する貴重な情報になっています。 -
- 刈田さんは1955年静岡県の森町生まれ。日本全国の川を「釣り(フライフィッシング)」と「水生昆虫の観察・撮影・研究」の二足のわらじで30年以上歩き続けて来ました
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- 実際に行なわれているドリフターチェックのようすです(刈田スタディオHPより)。川の中を流れてくる流下物を一定時間ごとにチェックし、そこから得られるヒントをもとに毛バリを選択。そして魚を釣るという独自の観察活動&フライフィッシングを長年にわたり実践しています。このスタイルを全国の川で貫くことで、「川ー水生昆虫ー魚」のつながりをつぶさに見てきたのが刈田さんです
- 本書に掲載されるのは、そうした刈田さん独自の観察により、実際の河川環境の中でヤマメやイワナによく食べられていると考えられる、主要な水生昆虫150種になります。内訳はコカゲロウ科が14種、マダラカゲロウ科が15種、ヒラタカゲロウ科が17種、その他のカゲロウが14種、トビケラ目が40種、カワゲラ目が36種、ハエ目やその他の水生昆虫が14種です。しかもコカゲロウ、カゲロウについてはすべての種について幼虫、亜成虫、成虫の写真を、トビケラとカワゲラについては幼虫と成虫の写真を収録し、さらにドリフターチェックの際に観察された現場での写真なども追加情報として挿入され、それぞれの水生昆虫の一生をありありとイメージすることができます。釣れる毛バリ作りや釣れるエサの選択に大いに参考になることはいうまでもありません。
- ちなみにフライフィッシングの発祥地であるイギリスやその釣りが伝わったアメリカでは、釣りに使う毛バリを科学的に探究するために、カゲロウ(メイフライ)、トビケラ(カディス)、カワゲラ(ストーンフライ)といった水生昆虫の生態を観察するアプローチが古くから重視されてきました。しかし、現代において実際に川に足を運び続け、そこに流れてくる水生昆虫を採取・撮影・同定している人というのは、国内外の研究者や釣り愛好家を探してもまず見当たりません。刈田さんのアメリカ(フライフィッシングの本場として何度も出かけている)での通称は〝バグマン(虫男)〟です。そんな刈田さんがコツコツと積み上げてきた膨大な観察の記録は、間違いなく「世界に類を見ない」ものといえます。
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持続可能な社会のためにも必要な水生昆虫への深い知識。 耐久性に優れた高品質な紙を使用し「誰もが読みやすい」書籍としてお届け。
- 近年、水生昆虫は川の水質や環境を知る指標生物としても注目されています。水生昆虫を調べることは、川の健康診断にもなり、もし水質汚濁や河川環境の悪化が発生した時に危機を具体的に知るきっかけになります。日本はおよそ3万本の川を持つ「川の国」といわれますが、その川は多くの場所で、水源地の森林伐採、手入れがされなくなった放置林、川を寸断する砂防ダムの乱造や不必要な護岸工事、さらに水中の動物プランクトンを殺すネオニコチノイド系農薬の流入など、危機的な状況にあります。それらによって水生昆虫がいなくなれば、魚たちのエサもなくなり、最後は川の生態系全体が揺らいでしまいます。だからこそ、水生昆虫への理解を深める良書を世に送り出せれば、釣り人ばかりでなく、広く環境問題に興味のある人たちの参考書として役立ちます。
そして、カゲロウ、トビケラ、カワゲラといった川に生きる水生昆虫は、その生命自体がとても魅力的です。たとえばカゲロウは、水中で生活する幼虫時代から、亜成虫という半分成虫の状態を経て、さらに脱皮して完全な成虫になりますが、その変態の過程は同じ種類の生き物とは思えないほど複雑です。そして同じカゲロウでも、幼虫から亜成虫になる際、水中で脱皮するものもいれば、水面まで泳ぎ上がって脱皮するものもおり、さらに石の上に這い上がって脱皮するものもいて、その方法は種ごとに決まっています。なぜそうなのか、知れば知るほど生命の不思議を感じさせてくれる生き物が水生昆虫です。刈田さんはよく「子どもたちの昆虫観察というと雑木林に出かけるのが定番だけれど、身近な川をのぞいてみれば、あっという間に驚くほどの虫たちを調べられる」と言います。 -
- 刈田さんは夏休みなどに実施される子どもたちの環境学習でも、水生昆虫の生態や魅力を伝えています(刈田スタディオHPより)
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- 子どもたちがつかまえたフタスジモンカゲロウ。川での観察中に羽化した(刈田スタディオHPより)
- 今回のプロジェクトで制作する書籍は、「A4変型判(縦200mm×横223mm)、オールカラー、240ページ」になります。収録内容は最新版の『水生昆虫ガイドブック』をベースにしながら
●すべてのページのデザインを、図鑑本の制作に実績のあるプロのデザイナーが見やすく、読みやすく、一新
●横長でワイドな判形を生かし、1つの水生昆虫に関連する情報は、すべて同じ見開き(または1ページ)内に収録。電子版にない読みやすさ・一覧性を実現
●美しい図鑑としての質感と実用書としての耐久性にもこだわり、紙は中性紙、印刷・製本はPUR(柔軟性・強度・環境対応などに優れた接着剤)を使用した丈夫な方法を採用で、質のよい紙の書籍ならではの「永久保存版」的図鑑に仕上げます。中性紙は、紙繊維を劣化させる硫酸バンドを使用しませんので耐久性があり、寿命は酸性紙の0~100年に比べて、一般的に4~6倍あるとされています。また、PUR製本というのは、一般的な接着剤の耐寒温度が0度、耐熱温度が40度前後なのに対して、PRU接着剤という耐寒温度がマイナス20度、耐熱温度が120度前後という接着剤を使う製本方式のため、一般的な条件ではゆうに100年は耐えうるという、丈夫な製本になります。(ただし、100年間の耐久性を必ず保証するというものではありませんのでご了承ください。)
著者の集大成といえるユニークな書をぜひ実現させたく、皆様のご支援をぜひよろしくお願いします。 -
- 1つの種類の水生昆虫の情報は、幼虫~成虫、さらにドリフターなどの状態まで、すべてページを繰らずに一覧できるようレイアウト。電子版では実現できていない構成で、紙版の書籍のメリットを最大限に生かします(画像は電子版のものからの合成によるイメージです。文字や写真の配置はすべて書籍専用に一からデザインします)
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永久保存版『水生昆虫ガイドブック 』はこんな本になる予定です
- ■サイズ:A4判変形(天地200mm×左右223mm)・並製
■ページ数:240ページ(予定・前後する場合がございます)
【目次】
コカゲロウ科/マダラカゲロウ科/ヒラタカゲロウ科/その他のカゲロウ/トビケラ/カワゲラ/ハエ目その他の水生昆虫/カゲロウの生態/トビケラの生態/カワゲラの生態/水生昆虫の棲息場所/用語集 など
■資金の使い道
・印刷費
・デザイン・制作費
・著者原稿料
・リターン費(発送費用含む)
・クラウドファンディング運営手数料
■実施スケジュール
2024年1月クラウドファンディング開始
2024年3月クラウドファンディング締め切り
2024年4月 制作開始
2024年6月 発送
※制作環境により発送日時は変更になる可能性があります。
■リターンのご紹介
永久保存版『水生昆虫ガイドブック』
A4変型判並製・オールカラー・本文240ページの書籍です。カゲロウ、トビケラ、カワゲラを中心に150種の水生昆虫の詳しい生態と写真を掲載。著者より感謝の気持ちを込めて、お礼状を添えてお送りさせていただきます。
永久保存版『水生昆虫ガイドブック』+著者解説による水生昆虫オリジナル動画鑑賞会(発売記念イベント)参加券
A4変型判並製・オールカラー・本文240ページの書籍です。カゲロウ、トビケラ、カワゲラを中心に150種の水生昆虫の詳しい生態と写真を掲載。著者より感謝の気持ちを込めて、お礼状を添えてお送りさせていただきます。さらに、つり人社(東京都千代田区)のスタジオで刈田さんの解説による水生昆虫オリジナル動画鑑賞&講演会(記念イベント)を行い、そちらにご参加いただける参加券をお送りさせていただきます。記念イベントの実施は2024年7月頃を予定しております。