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フライフィッシングが「日本の釣り」になっていく時代の創刊
- 1988年9月、我が国初のフライフィッシング専門誌Fly Fisher(当時はFLY FISHER)が創刊されました。
創刊に至るまでの経緯を、創刊当時の編集長で現在は(株)つり人社会長の鈴木康友は、以下のように振り返っています。(創刊30周年を振り返るムック『Fly Fisher 30 Years』巻頭の辞より)
「日本国内の釣り雑誌とフライフィッシングのかかわりは、1988年創刊の『FlyFisher』をはるかに遡る。弊社の古い月刊『つり人』を紐解くと、昭和21年7月創刊号から水上好夫氏の翻訳連載「フラィキャスティング」(原文ママ)が始まっている。終戦翌年から一般の釣り雑誌にフライフィッシングの記事が登場した意義は大きい。とはいえ、ほかの釣りに比べれば愛好者の数は微々たるものだったことが想像できる。1970年代に入るとようすが一変する。アン・ストローベル女史(’71)、レオン・チャンドラー(’72)、ジム・ハーディー(’73)、ジム・グリーン(’76)など、本場の第一線で活躍している面々が相次いで来日した。それはまさに”黒船インストラクター襲来”とでも呼ぶべき事件であり、多くの人は初めてそこでフライキャスティング、フライフィッシングとはどういうものかを目にし、体験したのだ。のちにメル・クリーガーやスティーブ・レイジェフの来日にもつながる流れは、この時代につくられたといってもいい。時を同じくして私は日本を飛び出し、英国でフライフィッシング、米国でバスフィッシングに直に触れる機会を得た。そこで強く感じたのは、国内で「ルアー・フライ」というくくりで語られていたこの2つの釣りは、同じ擬似餌釣りでも似て非なるものだということだった。まだ20代の編集者だった私は、いつか必ずそれぞれの専門誌を、それも欧米の雑誌のようなデザインで作ろうと心に誓った。このような1970年代の一連の出来事と私自身の体験は、地下水脈のように見えないところで流れを形成し、約10年の時を経てついに『FlyFisher』創刊に結実した。」
こうして誕生したFlyFisher創刊号の表紙は、メル・クリーガーが中米ベリーズでボーンフィッシュを手にする姿をイラストにしたもの。ロゴなどのデザインには米国のテイストを取り入れつつ、〝PUBLISHED WITH PRIDE IN JAPAN〟と銘打たれているように、日本のフライフィッシャーが各地で発展させている、ヤマメやイワナを対象とした釣りのメソッドやフィールドガイドも積極的に紹介していきます。 - ▼編集部に現存するFlyFisher創刊号
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- 創刊には海外の著名アングラーからも祝辞が寄せられました
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海外釣行、国内釣行、水生昆虫やテクニックの考察 自由に展開される記事
- ▼創刊号、No.2、No.3はこんな表紙でした。
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- ▼創刊号より、西山徹さんの「大雨翌朝の奥会津宮川 意外な出会いはエキサイティング」
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- ▼同じく創刊号より、芦沢一洋さんの「リリース先進国 アメリカ」
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- ▼No.2より、芦ノ湖の野崎茂則さんのテクニックを詳解した「HAND TWIST RETRIEVE」
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- ▼No.2より、のちに単行本となる佐藤成史さんの「The Flies 水生昆虫とフライフィッシング」
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- ▼No.3より、岩井渓一郎さんの「淡き緑写しこむ、あの清澄な流れに。」と「エキスパートたちのフィールドノート」
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- ▼創刊号、No.2、No.3の目次ページ
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創刊35周年を迎え、復刻プロジェクトを始動!
- 2024年、FlyFisherは創刊から35周年の節目を迎えます。フライフィッシングは「時代を経ても変わらないことが魅力の釣り」ともいわれますが、実際には変わっているもの、変わらないもの、どちらも内包しています。そして、創刊当時の誌面に登場する全国各地のフライフィッシャーの情熱には今なお学ぶものがあり、これからの自分のフライフィッシング・ライフを考えるきっかけも与えてくれます。そうした中、今回、釣り専門のクラウドファンディングサイト「釣りファン」公開を記念して、Fly Fisher創刊号(Autumn Issue 1988)、No.2(Winter Issue 1988)、Vol3(Spring Isuue 1989)をデジタルスキャンし、創刊当初の雰囲気のある紙を使用し、今回のために特別にデザインされた化粧箱に入れて3冊セットで復刻いたします。
■資金の使い道
・印刷費
・制作費
・リターン費(発送費用含む)
・クラウドファンディング運営手数料
■実施スケジュール
2024年3月クラウドファンディング締め切り
2024年4月 制作開始
2024年6月 発送
※制作環境により発送日時は変更になる可能性があります。
■リターンのご紹介
「電子版プラン」5000円
復刻版の誌面と同様のPDFデータ一式(3号分)をお送りします。保管場所に困らないリーズナブルなプランです。
「復刻版紙書籍プラン(特製化粧箱入り)」10000円
つり人社の書庫に保管されている状態の良いFly Fisher創刊号(Autumn Issue 1988)、No.2(Winter Issue 1988)、Vol3(Spring Isuue 1989)をデジタルスキャンし、3冊セットにした復刻版です。創刊当初の雰囲気のある紙を使用し、今回のために特別にデザインした化粧箱に入れてお届けします。
「紙版+電子版セットプラン」15000円
つり人社の書庫に保管されている状態の良いFly Fisher創刊号(Autumn Issue 1988)、No.2(Winter Issue 1988)、Vol3(Spring Isuue 1989)をデジタルスキャンし、3冊セットにした復刻版です。創刊当初の雰囲気のある紙を使用し、今回のために特別にデザインした化粧箱に入れてお届けします。保管場所に困らない電子版もセットになっているプランです。